「園芸やガーデニングで赤玉土とよく聞くけど何なのかわからない」
「赤玉土と鹿沼土似てるけど違いは何?」
こんな疑問にお答えします。
観葉植物を育てている人やガーデニングを行っている人は「赤玉土」の名前は聞いたことがあるかもしれません。
しかし、具体的な特徴や鹿沼土との違いを知らずに、なんとなく使っている人は多いと思います。
この記事を見れば、赤玉土の種類や特徴に詳しくなるはずです!
本記事では、赤玉土の基本的な情報から、鹿沼土との違い、さらにその使い方まで詳しく解説します。
赤玉土とは何なのか
赤玉土とはそもそも何なのかというところから解説をします。
赤玉土はどこから採取されて、どのような特徴があるのかという概要の説明です。
赤玉土の概要
赤玉土は、「関東ローム層」と呼ばれる地層からとれる赤土を砕いた土の総称です。
地中に長期間あったことで、害虫や病原菌がほぼ存在せず、観葉植物用の土のメインとして使用されることが多いです。
又、肥料分を含まないので、自身で肥料の量を調整することができる点も人気の理由の一つになっています。
土の重要な要素としてpH値(0に近づけば酸性)があります。赤玉土のpH値は5~6の弱酸性です。
多くの植物は中性~弱酸性の土を好むため、赤玉土を基本用土にすると汎用的な使い方ができます。。
赤玉土の成分
赤玉土の主成分は粘土ですが、ほかにも鉄分やアルミニウムなども含まれています。
この鉄成分が酸化(錆びて)して赤色になるんですね!
実はこの鉄分は植物に大きなメリットを与えています。
岡山大学 資源植物科学研究所の研究によると、土中の鉄分不足は、光合成不良を起こし、葉を黄色くさせます。
本来は土に鉄成分を後から追加する必要がありますが、赤玉土は最初から鉄成分が含まれています。
こういった点でも赤玉土が土に入っていると大きなメリットになります。
赤玉土の特徴
赤玉土の主な特徴は、主に3つです。
①排水性(どれだけ土の中から水を排出できるか)
②通気性(どれだけ空気中の酸素を土のに取り込むことができるか)
③保水性(どれだけ土の中に水を保つことができるか)
これら3つの要素は植物の土として重要な役割を果たします。
どれか1つが突出していても問題がありますので「全体のバランス感」を考えましょう。
1つづ解説しますね
①排水性
どれだけ土の中に「余計な水分が残らないか」という事です。
赤玉土は粒状になっているため、粒と粒の間に隙間ができ、その間を水が抜けていきます。
観葉植物全般は、排水性の良い土、水はけの良い土が好ましいので、赤玉土は適正という事ですね。
なぜ観葉植物に「排水性」が重要かというと、早く土が乾くというところがポイントです。
植物は土が乾いているときに根を伸ばして成長をしていきますので、
排水性が高い=早く乾きやすい=成長が早くなる
という公式が成り立つのです!
②通気性
赤玉土は粒状になっているため、粒と粒の間に隙間ができ、根に空気を取り込むことができます。
なぜ通気性が重要かというと、植物は根でも呼吸をしているからです。
なので、あまり通気性がよくない土の状態でかつ、濡れた状態が続くと「根腐れ」という症状になり、最悪枯れてしまいます。
人間で言うと、マスクに水をしみこませてそのまま長時間いるイメージです。(怖)
この通気性を確保できる赤玉土は観葉植物やガーデニングにおいては重宝されます。
又、赤玉土は崩れやすいという特徴もあるので、土に混ぜ込む際や、単体で使用する際は、細かな土の粉(微塵)を取り除くとさらに排水性を高めることができます。
この行為を行わないと微塵が「泥化」して通気性に悪影響を与えます。
③保水性
保水性とはどれだけ土の中に水分を貯めることができるのかという事です。
これもある程度ないと植物が水分を吸収することができません。
「排水性がいい方が、成長するんじゃないの?」と思うかもしれませんが、排水性が高すぎると、植物が水を吸い上げる前に乾燥をしてしまうので、バランスが重要です。
又、液体の肥料をあげた際に、保水性があるとより多くの肥料を土の中に残すことができるので、生育も期待できるのはメリットです。
似ている土:鹿沼土との違いを知ろう
赤玉土を聞いたことがある人は、同時に「鹿沼土」も聞いたことがあるのではないでしょうか。
少し調べても、「あまり変わらない?」と疑問に思う人も多いはずです。
しかし、大きな違いがあり、それぞれに強みがあります!
解説していきますね。
鹿沼土の概要
鹿沼土は、栃木県鹿沼市で採取される火山灰土で、軽くて水はけが良いのが特徴です。
赤玉土と比べると、より軽量で粒子が細かいことが多いです。
特に、水を与えると色が変わるので、水やり指標としても使用することができます。
赤玉土と鹿沼土の違い
赤玉土と鹿沼土の主な違いは、主に2つあります。
・主成分
・物理的特性
この2点を考えて、どちらが入っていたほうがより植物が成長をするのかという事を考えましょう。
主成分
大きく主成分が異なります。特に重要になってくるのはpH値です。
・赤玉土
主成分:赤土
pH値:中性~弱酸性
・鹿沼土
主成分:火山灰
pH値:酸性
多くの植物は中性から弱酸性を好みますので、鹿沼土の入れすぎは注意が必要です。
逆に酸性の土が好みの植物(タイムやセージなど)もありますので、その場合は配合の割合を増やしましょう。
物理的な特性
・赤玉土
質量:重い
崩れやすさ:崩れやすい
・鹿沼土
主成分:軽い
崩れやすさ:崩にくい
大型の観葉植物に軽い土を使用してしまうと、根だけでは自身を支えることができず、倒れてしまいます。
重さがある赤玉は、自身を支えるための「おもり」になってくれますので、積極的に使用しましょう。
赤玉土の種類
赤玉土と一言で言っても種類がいくつかに分かれています。
種類によって使用用途も異なってきますので、自身の使用予定に合わせて選択する必要があります。
種類として考えなくてはいけない点は下記の2点です。
①粒の大きさ
②硬度(硬さ)
①粒の大きさ
赤玉土は粒の大きさによって、用途が異なります。一般的には以下のサイズがあります
①大粒
②中粒
③小粒
④極小粒
・大粒
直径1cm以上の粒。
メインとして使用するのは庭などに混ぜ込み、排水性を高めることに使用します。
ただし、観葉植物の鉢植えに使用するには若干大きすぎるため、中粒程度に抑えておいた方がいいでしょう。
又、鉢底石の代わりに使うと、排水性を高めることができます。
・中粒
直径7mm〜1cm程度の粒。
こちらが一番汎用性が高いものになります。
庭に混ぜ込む方法もあれば、小さい鉢の鉢底石としても使用ができる、適度に水もちのよい粒です。
・小粒
直径5〜7mm程度の粒。3~5号鉢の育成に適しています。
水やりをする水が抜けますが、粒と粒のすき間に水が残りやすいので、上記した2つの大きさと比較して水もちはよいです。
特に培養土に混ぜ込んで排水性を高めることや、ほかの土と配合し、多肉植物やアガベなどに使用するケースが多いです。
・極小粒
直径2〜5mm程度の粒。3号以下の鉢の育成に適した大きさです。
又、種まきの土壌としても保水性、排水性が適度にあるので活用範囲は広い商品になっています。
硬度(硬さ)
同じ赤玉土でも異なった硬さがあります。
硬さの順は赤玉土→硬質赤玉土→超硬質赤玉土です。
硬さの違いの理由は、採取された赤玉土を高温で焼き固めたかどうかという点です。
硬度を人為的に高くした分、粒が潰れにくく、微塵の発生も少ないです。
赤玉土は微塵が出ると、排水性や通気性が悪くなることがありますが、そのリスクが硬質赤玉土、超硬質赤玉土は少ないという事です。
観葉植物等のように成長が早く、植え替えを1~2年で行う場合は通常の赤玉土でも問題はありません。
しかし、多肉植物、アガベ、盆栽等の長期間使用する場合は硬質や超硬質の赤玉土の使用をお勧めします。
赤玉土の使い方
「赤玉土の特徴はしれたけど、具体的にどのように使うの?」
「実際の配合例を知りたい」という方は下記を参考にしてみてください。
基本用土として使用
赤玉土は、観葉植物、多肉植物、サボテンなどの基本用土として広く利用されます。
通常は単体で使用するのではなく、他の土壌改良材(例えば腐葉土やピートモスなど)と混ぜて使用されます。
これにより、排水性や通気性を保ちながら、植物に必要な栄養素も確保できます。
一つの具体例として以下をお勧めします
室内用観葉植物の土配合例
- 赤玉土 :50%
- 鹿沼土 :20%
- 腐葉土 :20%
- 軽石 :10%
こちらの配合は「赤玉土」「鹿沼土」で保水性、排水性を高め、腐葉土により栄養素を追加しています。
又、室内では「乾きにくい」状況となりますので、「軽石」を追加し、さらに「通気性」を高めています。
この配合であれば、成長と根腐れのしにくさのどちらも取ることができますね!
赤玉土の具体的な配合例を知りたい方は下記をご覧ください。
鉢底石として使用
鉢底石として使用する場合、赤玉土の大粒を利用します。
鉢の底に赤玉土を敷くことで、鉢底からの水はけを良くし、根腐れを防ぐ効果があります。
ただ、上記しましたように「保水性」があり、崩れやすい特性がありますので、専用の鉢底石を使用することをお勧めします。
まとめ
赤玉土は、観葉植物等の「基本用土」として使用される理由がある。
鹿沼土との違いは主に、「重さ」と「pH値」
赤玉土を使用する際は、「粒の大きさ」と「硬度(硬さ)」を考える必要がある。
使用用途は土に混ぜ込み「排水性」「通気性」を高め、鉢底石としての使用もできる。
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